この記事はこんな人におすすめ
- シングルマザーの人
- 家庭を持ちながら就職したい人
- 就職活動の情報を得たい人
目次
シングルマザーが増えている
日本の母子世帯は、10年前と比べ増えています。
厚生労働省が出した数では、平成28年シングルマザーの子供の数は平均1.52人です。
シングルマザーでも、お子様の手が掛からない年齢ならば、就職の条件を広げることができますが、お子様がまだ小さいとそうも言っていられませんよね。
就職の面接時に、お子様が小さいと、「早退や休みが多くなりそう」と感じる会社もまだ多く、不利になってしまいます。
今回は、そんなシングルマザーの就職についてご紹介していきます。
シングルマザーの就職率
厚生労働省によると、シングルマザーの就業状況は80.6%、平均就労収入は、181万円になっています。
その内訳は、
雇用形態 | 就業率 | 平均就労所得 |
正規雇用(正社員) | 43% | 270万円 |
非正規雇用(パート派遣社員、契約社員、アルバイト) | 57% | 125万円 |
となっています。
また、一般世帯女性の就業率は64.4%(正規雇用:45.6%、非正規雇用:54.4%)で平均就労所得は、269万円です。
このことから一般世帯と比べシングルマザーは、就業率が高いが、平均就労収入が低いということがわかります。
シングルマザーは、働かざるをえないことが多いです。
ですが、一般世帯と比べ、仕事の選択の幅が狭くなるのが現状です。
参考元:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188147.html
シングルマザーの就職が難しい理由
先ほどもご紹介しましたが、シングルマザーは仕事の選択の幅が狭り、就職が難しいです。
正確には、自分の思い通りの就職をするのが難しいです。
理由は、
・就労時間に限界がある
・安定の正規雇用にこだわっている
・仕事から離れていた分、会社側から敬遠される
・学歴や職歴が弱い
という点が挙げられます。
順に解説していきます。
シングルマザーの就職が難しい理由1:就労時間に限界がある
シングルマザーが就職をするとき、『労働時間』を1番に考えます。
シングルマザーで、身近にお子様を預けることができない場合は、預け先が必要になりますよね。
その預け先に〇時に迎えに行かないといけないとなると、どうしても、その予定時間以上働くことができません。
そうすると時間が限られてしまい、就職の選択の幅も狭くなります。
実家暮らしや近所に実家があり、お子さまを預けられる環境なら、残業がある正規雇用や、フルタイムの非正規雇用でも構いません。
ですが、そのような環境下になく、預け先を探して働いている女性が多いです。
時短勤務の就職となると選択肢の幅は狭まってしまいます。
シングルマザーの就職が難しい理由2:安定の正規雇用にこだわっている
お子様が大きくなるにつれ、どんどんお金がかかってきます。
今は、高校までは無償になりましたが、様々な雑費がかかります。
塾に通わせたら、もっとかかりますし、大学まで行かせるとなれば、必要な費用は何倍にも膨れ上がります。
そのような理由からシングルマザーは、将来を見据え、今から安定した正規雇用にこだわりがちです。
ですが、正規雇用だと子育ての環境が整っていない場合は会社側から敬遠されがちで就職が難しくなっているのです。
お子様の急な用事に対応できるのは、業務委託や、パート、アルバイトかもしれませんがそれでは今後の収入UPのチャンスは大幅に減ってしまいます。
シングルマザーの就職が難しい理由3:ブランクが会社側から敬遠される
結婚後すぐ専業主婦になった場合や、出産と同時に専業主婦になった女性も少なくないです。
そのような場合、シングルマザーになり再就職をするのに不安を感じる方は多いです。
専業主婦の期間は、社会的にブランクとみなされます。
このブランクを会社側の不安要素になり、就職活動に影響します。
シングルマザーの就職が難しい理由4:学歴や職歴が弱い
これは該当しないシングルマザーもいるかもしれませんが、若くして結婚してその後、シングルマザーになった場合、学歴や職歴が弱いケースがあります。
具体的にいうと、
・高校卒業後に就職して2年後に結婚。結婚を機に仕事を辞め、専業主婦をしていた時に離婚して、シングルマザーになった
・大学卒業後に約3年アルバイトをしており、その途中で結婚。アルバイトを辞め、専業主婦になるものの離婚して、シングルマザーになった
上記のようなケースの場合、シングルマザーで再就職をするには学歴や職歴がネックになってしまいます。
スキルや経験も乏しく、限られた時間での仕事を探す必要があるので、選択肢はかなり狭くなります。
シングルマザーの就職の秘訣
シングルマザーの就職の秘訣は、
・手に職をもつ
・希望条件を明確にする
・在宅の仕事を探す
です。
順に解説していきます。
シングルマザーの就職の秘訣1:手に職を持つ
シングルマザーは、専門資格や専門スキルを持っていると次の就職先が見つかりやすいです。
専門資格:看護師や介護士、薬剤師
専門スキル:WEBデザイン、イラストレーター、プログラミング、動画編集
上記は一例ですが、これらが該当します。
秘訣の3で[在宅]を推奨していますが、手に職系の資格やスキルを持っていると在宅できる可能性もかなり拡がります。
シングルマザーの就職の秘訣2:就職希望条件を明確にする
シングルマザーの就職は、何より希望条件を明確にすることが重要です。
シングルマザーの方は、それぞれ事情が違います。
周りにお子様の面倒を見てくれる方がいるシングルマザーと、面倒を見てくれる方がいないシングルマザーでは、働ける時間帯や、預け先の確認など、いろいろなことが変わってきます。
明確にすることは、
・雇用形態
・収入額
・勤務可能な時間帯
・通勤時間
・残業時間
・休日、休暇
など主になります。
これらについて明確にしないままだと、いざ就職先を探そうとしたときに時間と労力が無駄にかかってしまいます。
いきあたりばったりではなく、初めに希望条件をしっかり考えて、企業に伝えておくことがお互いにとっても後々気持ちよく働けることにつながります。
ですが、あまりに条件を出しすぎてしまうと就職に不利になるので、譲れない条件を明確にするのがよいです。
シングルマザーの就職の秘訣3:在宅の仕事を探そう
先ほど、就職の際の希望条件についてまとめましたが、会社に出勤することが前提です。
最近はコロナの影響もあり、在宅勤務の企業も非常に増えているので、そのような企業を探すのも手です。
在宅勤務であれば、先ほどの挙げた希望条件のほとんどをカバーできますし、勤務時間の制限も出社するのと比べると数時間増やすことができます。
シングルマザーの就職におすすめの仕事
どのような仕事がシングルマザーの就職におすすめなのでしょうか。
シングルマザーにおすすめの仕事は、
・IT専門職
・事務職
・受付職
があります。
シングルマザーの就職におすすめの仕事1:IT専門職
1つ目は、IT専門職です。
この理由として1番大きいのが、在宅でも可能な求人が多いからです。
PCがあればどこでもできるので、出社する必要がほとんどないです。
ただ、プログラミングスキルなどを身につけるまでに非常にに時間がかかるため、ある程度PCスキルがあったり、IT系の職種経験がないと厳しいかもしれません。
20代前半のシングルマザーであれば、未経験で採用してくれる企業もあるので、年齢が若い場合は求人探しの際に閲覧してみてください。
シングルマザーの就職におすすめの仕事2:事務職
2つ目は、事務職です。
女性に人気の事務の仕事は、シングルマザーの就職にもおすすめです。
外部にクライアントを持たず、比較的休みや急な用事に対応しやすいので、シングルマザーにはうれしいポイントです。
簿記や、パソコンの資格を持っていると給料も変わってきます。
事務の派遣でも東京であれば、時給1600円程度はもらえるので正社員だけではなく、派遣などの雇用形態も検討してみてください。
シングルマザーの就職におすすめの仕事3:受付職
3つ目は、受付職です。
受付は、シフト制ですし、建物の営業時間や来客可能時間が決まっているので残業の可能性はほぼ0に近いです。
未経験でも問題なく就くことができますので、勤務時間を気にするシングルマザーにはマッチする職種ではないでしょうか。
国のシングルマザー就職支援機構の利用
国もシングルマザーの就職支援や資格取得支援のために動いています。
是非、活用してください。
シングルマザーの就職支援機関
・マザーズハローワーク
・女性しごと応援テラス・東京しごとセンター
シングルマザーの資格取得支援制度
・自立支援教育訓練給付金
・高等職業訓練促進給付金等事業
順に解説していきます。
国のシングルマザー就職支援機関
まずはシングルマザー就職支援機関からです。
シングルマザー就職支援1:マザーズハローワーク
マザーズハローワークは、子育て中の女性の就職を支援するハローワークです。
相談相手も女性なので、女性ならではの悩みに理解があります。
また、マザーズハローワークには、キッズコーナーがあるのが特徴で、お子様を連れていくことが可能です。
東京各地と神奈川や千葉には拠点があるのですが、地方の拠点はネット上には記載がないので、最寄りのハローワークで聞く形になります。
シングルマザー就職支援2:女性しごと応援テラス・東京しごとセンター
女性しごと応援テレスは国の支援事業で、人材会社のパソナが代行運営をしています。
東京都が設置した東京都千代田区飯田橋にある東京しごとセンター内にある女性の再就職を応援する専用窓口です。
・キャリアカウンセリング
・セミナープログラム
・求人紹介
の3つが事業内容になっており、相談〜就職までフルサポートをしてくれます。
センター内には託児所も併設されており、事前予約をして無料で利用することができます。
国のシングルマザー就職支援制度
次にシングルマザー就職支援制度です。
シングルマザー就職制度1:自立支援教育訓練給付金
こちらは、ひとり親家庭ための給付金で、就職に有利になる資格を取得するための講座受講料(上限10万円)が給付されます。
講座は対象の口座でないと給付金がもらえないため、確認が必要です。
各地域によって金額に多少変動があったり、内容が異なる場合がありますので、詳しくは住んでいる地域のHPで確認してください。
パソコン検定や医療事務などが人気です。
詳しくは厚生労働省のページをご覧ください。
シングルマザー就職支援2:高等職業訓練促進給付金等事業
こちらは、資格所得のため一定期間修学が必要の場合、期間中の生活費を支援してくれます。
看護師や介護福祉士がこの制度を使えます。
上限は2年、支給額月額10万円か月額7万500円となっています。
就業終了後、5万円か2万5千円が支給されるのでぜひ利用したい制度です。
詳しくは厚生労働省のページをご覧ください。
シングルマザーは転職サイトを利用すべし!
シングルマザーの就職には、先ほど紹介した国の就職支援機関以外に、転職サイトの利用をおすすめします。
転職サイト以外の主流の転職手段として、転職エージェントがありますが、あまりおすすめしません。
転職エージェントは、エージェント経由で求職者がどこかの企業に内定した場合、その企業はエージェントに求職者の想定年収の約30%を紹介手数料として、支払います。
例えば、年収300万だった場合、約90万円になります。
よっぽど優秀な女性であれば、シングルマザーでも転職エージェント経由で採用することもありますが、実績はかなり少ないです。
そのため、シングルマザーで転職エージェントを利用しても全く紹介企業がないことが多々あります。
アドバイザーによってはかなりひどい扱いを受ける可能性も否めません。
逆に、転職サイトは、1ヶ月掲載するのに30~50万程度で、その間に何人採用しても追加料金はありません。
そのため、シングルマザーでも転職サイト経由であれば、採用費も抑えられるので、内定する可能性は転職エージェントと比べて飛躍的に上がります。
また、転職サイトには、働くママ向けの求人特集やママ向けの求人検索項目があり、シングルマザーの就職を後押しするような機能がたくさんついています。
シングルマザーの就職におすすめの転職サイト
シングルマザーの就職におすすめの転職サイトを紹介します。
シングルマザーの就職におすすめの転職サイトは以下3選です。
・とらばーゆ
・女の転職type
・ママワークス
順にみていきましょう。
ここで紹介する転職サイトは全て利用料無料です。
シングルマザーにおすすめの転職サイト1:とらばーゆ
1つ目はとらばーゆです。
僕が知る中では日本初の女性特化型転職サイトがこのとらばーゆです。
全求人は2500~3000件ほどで、毎週500~600件ほど更新されます。
シングルマザーでも比較的働きやすい事務、受付、経理などオフィスワーク系の求人掲載が1番多く、次いでコールセンターなどのオペレーター系の求人になります。
スカウトサービスで企業からのオファーを受けることができるので、時間のないシングルマザー にもおすすめになります。
シングルマザーにおすすめの転職サイト2:ママワークス
2つ目の転職サイトはママワークスです。
女性に特化した求人サイトは増えていますが、ママに特化した求人サイトはあまりないです。
その中でも知名度が高いのがママワークスです。
働くママに特化しているので全掲載求人がママ向けのモノになっており、
・在宅
・時短
・リモート勤務
などの文言がほとんどの求人に含まれています。
アルバイトから正社員まで幅広い雇用形態の求人が掲載されていますので是非チェックしてください。
特に在宅の仕事がメインで掲載されているので在宅を考えているシングルマザーの方にはおすすめです。
シングルマザーにおすすめの転職サイト3:女の転職type
3つ目の転職サイトは女の転職typeです。
こちらは女性専用の転職サイトになっております。
求人数は約1500件ほど掲載されており、中小企業から大企業まで幅広い企業が並んでいます。
雇用形態としては正社員募集が約7割となっていますので、正社員で働きたいシングルマザーにはおすすめです。
求人検索の条件に
・産育休取得あり
・育児と両立OK
・時短勤務あり
など働くママ向けのモノも多く、求人検索にも役立ちます。
女性専用の転職イベントも年に4回ほど開催されていたり、個別の転職相談会も定期的に開催しているので、サイト内で情報更新されるのでチェックしましょう。
まとめ:制度やサイトを利用し、シングルマザーの就職を成功させよう
ここまでシングルマザーの就職についてまとめてきました。
シングルマザーの就職は、一般の女性に比べると難しいのが現状です。
ですが、実際にシングルマザーでバリバリ働かれている人がいるのも事実です。
国制度を利用し、資格や専門スキルを身につけ、将来を見据えることもできます。
またママ向けの転職サイトを利用することにより、より良い就職を目指すことも可能です。
1人で悩まず身近な方や家族、お住まいの地域の支援サービス、ママ向けの転職サイトなどを利用し、相談することも大切です。
子育てと仕事を両立させるためにできるだけのことをしましょう。