「職業訓練って意味ないって聞いたけど本当?」
「やめとけと言われて不安になっている…」

なぜここまで意見が分かれるのでしょうか。
本記事では、職業訓練が「やめとけ」と言われる理由を深掘りして解説します。
あわせて、職業訓練に向いている人・向いていない人の特徴、後悔しないための注意点や代わりの選択肢も紹介しますので、職業訓練を受けるか迷っている人はぜひ最後までお読みください。
本記事でわかること
- 職業訓練が「やめとけ」と言われる理由
- 職業訓練に通うメリットと注意点
- 職業訓練に向いている人・向いていない人の違い
- 職業訓練とあわせて検討したい学びの方法
職業訓練とは
就職や転職に向けて新しいスキルを身につけたい人のために、国が用意しているのが「職業訓練」です。
ここでは、職業訓練の基本的な仕組みや種類、申し込みの流れについてわかりやすく紹介します。
仕事に必要なスキルを無料で学べる公的な支援制度
ハロートレーニング(職業訓練)は、仕事を探している方を対象とした無料の職業訓練制度です。
キャリアアップや希望する就職を実現するために、必要な知識や技能を習得することができます。
※テキスト代は自己負担となります。
厚生労働省とハローワークが共同で運営しており、職業相談を通じて受講の必要性を判断します。
ハロートレーニング(職業訓練)の主な特徴
- 授業料は無料
- パソコン、Webデザイン、介護、事務など、実務に直結する分野を幅広く学べる
- 離職者や未経験者など、幅広い層が対象
- 受講を通じて資格取得やキャリアアップを目指せる

キャリアの方向性がまだ定まっていない人にも、制度としての利用価値があるといえます。
公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類がある
職業訓練(ハロートレーニング)は、対象者によって「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類あります。
雇用保険の受給状況によって受けられる訓練が異なり、どちらも再就職を支援する公的な制度として位置づけられています。
2つの訓練の主な違いは、以下のとおりです。
区分 | 公共職業訓練 | 求職者支援訓練 |
---|---|---|
対象者 | 雇用保険を受給している離職者 | 雇用保険を受けていない人・受給が終了した人 |
費用 | 授業料無料 (教材費などは自己負担) |
授業料無料 (教材費などは自己負担) |
期間 | おおむね3ヶ月〜2年 | おおむね3ヶ月〜1年 |
主な分野 | 介護・事務・情報処理・製造など | Webデザイン・プログラミング・販売・医療事務など |
就職率 | 離職者訓練全体で約8割前後 | 実践コースで約6割前後 |
出典:厚生労働省|ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)

希望職種や生活状況に合わせて、訓練内容・期間・給付制度を比較検討するのが大切です。
ハローワークで申し込みから受講までサポートしてもらえる
職業訓練(ハロートレーニング)の申し込みや手続きは、全国のハローワークで一貫してサポートしてもらえます。
初めての人でも、担当職員と相談しながら自分に合う訓練コースを選べるのがメリットです。
ハローワークで受けられる主なサポート
- 職業相談で受講の必要性や希望コースを相談可能
- 訓練内容・期間・就職率などの最新情報を紹介
- 全国の「ハロートレーニング」検索システムでコース情報を確認
- 応募書類や面接の対策、履歴書の添削など就職支援を実施
- 受講中の給付金申請や出席管理もサポート

特に未経験からスキルを学びたい人や、給付金制度を活用しながら転職を目指す人にとって心強い存在となるでしょう。
職業訓練はやめとけといわれる5つの現実的な理由
職業訓練はやめとけといわれるのには、さまざまな理由が挙げられます。
無料で学べる一方で、就職につながらなかったり、講座内容が合わなかったと感じる人も少なくありません。
ここでは、職業訓練を検討する前に知っておきたい5つの現実的な理由を解説します。
5つの理由
就職の保証がなく訓練後に迷う人が多い
職業訓練を受講しても、必ず就職できるわけではありません。
実際、訓練を修了しても希望する職種の求人が少なかったり、未経験者向けの採用が限られていたりするため、思うように転職が進まない人もいます。
令和5年度の公共職業訓練修了者の就職率は、施設内訓練で約86.4%、委託訓練で約73.6%、求職者支援訓練(実践コース)で約60.3%であることがわかりました。
また、分野ごとのデータは以下のとおりです。
分野 | 就職率(目安) | ポイント |
---|---|---|
介護・福祉 | 約86.8% | 人手不足で需要が高い |
事務・営業 | 約83.9% | 幅広い企業で求人あり |
IT(情報処理) | 約74.2% | 未経験は選考倍率が上がりやすい |
デザイン | 約72.9% | 人気高・実務経験が重視されがち |
美容・ファッション | 約67.9% | 雇用形態・待遇にばらつき |

自分が目指す職種や地域の求人状況をしっかり調べたうえで、ハローワークやキャリア相談を活用しながら計画的に動くことが大切です。
必ずしも希望の講座を受けられるとは限らない
職業訓練を検討している人の中には、希望していた講座に落選してしまうケースも少なくありません。
職業訓練校の各コースには定員があり、人気の高いジャンルでは応募が集中するためです。
特にIT・Webデザイン・医療事務などの人気コースは、未経験者でも就職しやすく、倍率が2〜3倍に達する場合もあります。
選考の流れと注意点
- 申し込み後、書類選考や面接を経て受講者が決定される
- 職業訓練校によっては筆記試験を実施する場合もある
- 希望のコースが満席の場合、次回募集まで待つ必要がある

自分に合った訓練を受けるためには、早めの情報収集と複数コースの検討が欠かせないのです。
講師や授業の質に差がある
職業訓練は実施する地域や運営機関によって、講師や授業内容の質に差がある場合があります。
職業訓練校や委託先によってカリキュラムの内容・講師の経験・設備環境が異なるためです。
自治体ごとに重点分野が違うため、学べるスキルの傾向や求人へのつながり方も変わります。
授業の質に差が出る理由
- 地域によって重視する分野が異なり、学べるスキルの方向性が変わる
- 講師の実務経験や教え方に差があり、授業の理解度が左右される
- 設備や教材が古い職業訓練校では、最新ツールや業界知識を学びにくい
- 面接対策や求人紹介のサポート体制にばらつきがある
- 実習の比率が少ないと、就職後に求められるスキルが身につかないことがある

職業訓練は授業の質次第で成果が大きく変わるのが実情といえます。
学習内容やレベルが合わない可能性がある
職業訓練は、訓練校ごとに学べる内容や授業スタイルが異なるため、自分の目的やレベルに合わないと感じる人も少なくありません。
授業内容が合わないと感じやすい理由
- カリキュラムが基礎中心で、就職や転職で求められる実践的スキルまで届かない
- 授業の進行が早く、未経験の人にはついていくのが難しい
- 訓練内容が地域の求人ニーズと合っておらず、就職につながりにくい
- 講師や受講生のレベル差が大きく、授業のペースが合わない
- 実習が少なく、仕事で使うスキルを身につけにくい

ITやデザインなど実務経験が重視される分野では、実践スキルを学べないまま就職活動に進むと面接で苦戦することもあるでしょう。
受講前にカリキュラム内容や授業形態(実習と座学の割合など)をしっかり確認しておかないと、やめとけばよかったとなりやすい可能性があります。
就職まで時間がかかり生活が不安定になりやすい
職業訓練は、スキルを習得しながら就職を目指せる一方で、実際に就職までに時間がかかりやすく、短期で転職したい人や収入を早く安定させたい人には負担が大きい側面があります。
受講前の説明会や選考、開講までの待機期間に加え、訓練期間そのものが長期化しやすいためです。
就職までにかかる主な期間の目安
- 申し込み・職業相談・選考:2〜6週間(人気コースは定員超過で待機が発生)
- 受講期間:おおむね3ヶ月〜最長2年(職業訓練校やコース内容によって大きく異なる)
- 修了後の就職活動:1〜3ヶ月(未経験分野ではポートフォリオ作成や面接対策が必要になることも)

特に未経験からITやWebデザインなど専門分野に挑戦する場合は、基礎から実務レベルまで時間を要しやすい傾向があります。
事前に期間や費用の見通しを立てておかないと、「スキルは身についたけれど生活が厳しかった」と感じてしまうケースもあるのが現実です。
職業訓練に通うメリット
職業訓練は、正しく活用すれば多くのメリットがあります。
ここでは、職業訓練に通うことで得られる5つの主なメリットを解説します。
職業訓練は求職活動実績として認められる
職業訓練(ハロートレーニング)は、訓練に通いながらスキルを習得できるうえ、失業保険の受給延長など生活面の支援も受けられます。
訓練期間中も「就職に向けた活動」とみなされ、通常必要な求職活動報告や失業認定のための来所が免除されるためです。
職業訓練受講の主なメリット
- ハローワークの「受講あっせん」を通じて正式な求職活動として認められる
- 訓練期間中は失業認定日の来所や活動報告が不要
- 給付期間が訓練修了まで延長されるため、収入面の不安を軽減できる
- スキルを習得しながら就職・転職活動を進められる

生活の安定を保ちながらスキルを伸ばせるため、失業中や未経験から新しい職種に挑戦したい人におすすめといえるでしょう。
無料で専門スキルや資格を学べる
職業訓練は、受講料が原則無料で、経済的な負担を抑えながら専門スキルや資格を学べるのが魅力です。
国が再就職やキャリアアップを支援する目的で制度を整えているためです。
職業訓練で得られる主なメリット
- 受講料は無料で、教材費や検定料など一部の実費のみ自己負担
- 専門学校や民間スクールに比べ、低コストで実践的なスキルが学べる
- 資格取得を目指せるコースも多く、就職・転職活動で強みになる
- IT・デザイン・介護など、将来性の高い職種に対応した訓練が充実

再就職を目指す人や未経験から新しいキャリアを築きたい人にとって、無料で学べる制度は心強い選択肢といえるでしょう。
就職活動の空白期間をカバーできる
職業訓練に通うと、離職中も前向きに学ぶ姿勢を示し、採用担当者に良い印象を与えられられます。
ブランク期間中にスキルや資格を身につければ、「空白=準備期間」として説明しやすいためです。
職業訓練でブランクを埋められる理由
- 離職中も前向きに活動している姿勢を採用担当者に示せる
- 訓練で得たスキルや資格を具体的にアピールできる
- 面接で「何をしていたか」を説明しやすく、不安要素を減らせる
- 学びながら就職活動を進められるため、空白期間を成長の時間として活かせる

空白を埋めるだけでなく、スキルを持って再スタートできる点が魅力といえるでしょう。
就職・転職サポートを受けられる
職業訓練は、キャリア相談や求人紹介、面接対策などを通じて、自分の強みを明確にしながらキャリア形成を進められます。
職業訓練はハローワークと連携しており、訓練後の求人情報や応募方法の相談まで一貫して支援が受けられるためです。
職業訓練校で受けられる就職サポート
- キャリア相談スタッフが常駐し、自分に合った職種・コースの選び方をアドバイス
- 求人紹介や応募書類の添削で、実践的な就職活動スキルを習得
- 面接練習で質問への答え方や姿勢などを具体的に指導
- 訓練で得たスキルを活かせる企業・業界の情報を紹介
- 修了後もハローワークと連携して就職支援を継続

将来の働き方を見直したい人や、キャリアを一から築き直したい人にとって、実践的に学べる有効な選択肢となるでしょう。
条件を満たせば給付金がもらえる
職業訓練では、一定の条件を満たすと職業訓練受講給付金(月10万円)や通所手当の支給を受けられる制度があります。
厚生労働省が運営する「ハロートレーニング」制度の中で、就職を目指す人が安心してスキルを身につけられるよう支援しているためです。
職業訓練受講給付金の支給要件チェックリスト
世帯全体の収入が月30万円以下(同居または生計を一にする家族を含む)
世帯全体の金融資産が300万円以下
現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
全ての訓練実施日に出席している(やむを得ない理由でも8割以上の出席が必要)
過去3年以内に不正行為により給付金を受けたことがない
過去6年以内に職業訓練受講給付金を受給していない
出典:厚生労働省「ハロートレーニング(職業訓練)|就職支援・給付金など」

また、本人収入が月12万円以下・世帯収入が月34万円以下であれば、要件を一部満たしていなくても通所手当(交通費)支給される場合もあります。
手続きは住所地を管轄するハローワークでおこなうため、受講申込み時に必ず相談しておきましょう。
同じ目標を持つ仲間と学べる
職業訓練校では、同じ目標を持つ仲間と一緒に学べるため、就職や転職を目指す過程で強いモチベーションを維持しやすいのが特徴です。
職業訓練は一人で進める独学とは異なり、同じ分野に関心を持つ人たちと授業や実習を共有し、協力しながらスキルを身につけられます。
講師やクラスメイトとの会話を通じて求人情報や就職活動の進め方を学べる機会も多く、実践的な知識を得ながらキャリア意識を高められるでしょう。

同じ志を持つ仲間と切磋琢磨でき、自分の成長を実感しながら前向きに就職活動へ進めるでしょう。
職業訓練で後悔しないための注意点
職業訓練は、活かし方次第で再就職やキャリアチェンジに役立ちます。
一方で、目的をあいまいにしたまま申し込むと「思っていた内容と違った」と後悔する人も少なくありません。
ここでは、職業訓練を有意義な学びの機会にするために、事前に確認しておきたい注意点を見ていきましょう。
目的を明確にしてから申し込む
職業訓練を受ける前に、自分がどんな仕事やキャリアを目指したいのかを明確にしておくのが大切です。
目的を決めずに受講すると、訓練内容とのミスマッチや途中の挫折につながるためです。
目的を考えるときは、「どんなときにやりがいを感じるか」「将来自分がどんな仕事をしたいか」を整理してみましょう。
目的を決めるためのヒント
- やりがいを感じる瞬間を3つ書き出す
- 興味のある職種や資格をピックアップする
- ハローワークやキャリア相談を活用する

目的を明確にしておくと、職業訓練の効果を最大化しやすくなります。
説明会や見学会で学校や講師の雰囲気を確かめる
職業訓練を検討している人は、職業訓練の説明会や見学会に参加して、学校や講師の雰囲気を直接確かめることが大切です。
パンフレットやWeb情報だけでは分からない部分も、現地で質問・体験することで具体的にイメージできるためです。
説明会でチェックしておきたいポイント
- 訓練で使用する道具や教材を実際に見る
- 講師や受講生の雰囲気を肌で感じる
- 複数の職業訓練校の資料をまとめて入手する
- 求職活動実績として認められるかを確認する

就職や転職を目指す第一歩として、積極的に活用してみましょう。
コース内容や就職先を事前にチェックする
職業訓練に申し込む前に、気になるコースの授業内容や就職先をしっかり確認しておきましょう。
学べるスキルや訓練内容が、自分の希望する職種やキャリアにつながるかを把握しておけば後悔のない選択ができます。
事前に確認しておきたいポイント
- 授業内容やカリキュラムの詳細
- 卒業生の就職実績・求人の傾向
- 学んだスキルが就職・転職にどう活かせるか

受講前にコース内容を理解し、「このスキルでどんな仕事に就きたいか」を明確にしておくと、学ぶ目的がはっきりしますよ。
職業訓練に向いている人の特徴
職業訓練は、目的を持って学びたい人にとってチャンスになります。
ここでは、職業訓練に通う効果を実感しやすい人の特徴を解説します。
キャリアの目標が明確な人
なりたい職業や身につけたいスキルが明確な人は、職業訓練を最大限に活用しやすいタイプです。
目的がはっきりしていると、受講中のモチベーションを維持しやすく、習得した知識や経験をスムーズに就職・転職へつなげられます。
目標が明確な人の特徴
- 明確なキャリア目標があると訓練の目的がぶれない
- 学ぶスキルが実際の就職・転職に直結しやすい
- 職業訓練校の講師やサポート担当者との相談がしやすい

自分の目標を明確に持ち、努力できる人こそ、職業訓練に向いているといえるでしょう。
基礎的な知識やスキルを身につけたい人
職業訓練は、これから新しい分野に挑戦する前に、基礎的な知識やスキルを一から学びたい人におすすめです。
職業訓練校では、未経験でも理解しやすいようIT・医療事務・介護・デザインなど、各分野の基本を段階的に学べるカリキュラムが整っています。
基礎を学ぶメリット
- 専門分野の基本を体系的に学び、知識の土台をつくれる
- 未経験でも理解しやすい授業内容で安心してスタートできる
- 基礎があることで、就職後の実務や応用スキルの習得がスムーズになる

土台をしっかり築けば、今後のキャリアの可能性を広げやすくなるでしょう。
資格取得を目指している人
職業訓練は、資格を取得して就職・転職のチャンスを広げたい人にも向いています。
電気工事士・簿記・医療事務・介護福祉士・Webデザインなど、実務に直結する資格を目指せるコースが豊富です。
資格を取るメリット
- 試験対策から実務スキルまで一貫して学べるカリキュラム
- 資格取得により、未経験でも採用の可能性が高まる
- 資格を通じて、就職・転職・キャリアアップの選択肢が広がる

資格取得は採用時のアピールにつながり、未経験職種への転職でも有利に働くでしょう。
費用を抑えて学びたい人
職業訓練は、できるだけお金をかけずにスキルを身につけたい人におすすめです。
職業訓練校の多くは受講料が無料で、必要な費用はテキスト代などの実費のみのためです。
費用面でのメリット
- 受講料が無料のため、経済的な負担を抑えてスキルを学べる
- テキスト代や検定料などの実費のみで受講可能
- 給付金制度を活用すれば、生活費の支援を受けながら学べる

経済的な不安を軽減しながら、新しいキャリアへ安心してステップアップできるでしょう。
職業訓練が合わない人の特徴
職業訓練は、時間をかけてスキルを身につけたい人には適した制度ですが、すべての人に合うわけではありません。
ここでは、職業訓練が合わない人の特徴を解説します。
向いてない人の特徴
すぐに働き始めたい人
職業訓練は、今すぐ仕事に就いて収入を得たい人には向きません。
職業訓練校の授業は平日の日中におこなわれ、受講期間も数ヶ月から長い場合は2年程度かかることがあるためです。
短期間で就職・転職を目指す場合、訓練と並行して求人応募や面接を進めるのは難しいと感じる人もいるでしょう。
一刻も早く働きたいときは、ハローワークやリクルートエージェントやdodaなどの転職エージェントを活用して、求人検索や就職活動に集中したほうが効率的です。

自分の状況に合った方法を選ぶと、無理なくキャリアを進められるでしょう。
目的があいまいなまま受講を考えている人
職業訓練は、学ぶ目的や就職の方向性が明確でない人にも向いてないといえるでしょう。
目的があいまいなまま受講すると、授業のレベルや内容についていけず、途中でモチベーションを失いやすいためです。
実際、「とりあえず通ってみよう」と考えて入校した人の中には、思っていた内容と違い途中退校してしまうケースもあります。
一度退校すると、原則1年間は再受講できないため、慎重な判断が必要です。

目的を持って受講するほど、訓練の内容を就職や転職に結びつけやすくなります。
日中に通学できない人
ほとんどの職業訓練校では、授業が平日9時〜17時におこなわれるため、平日の昼間に通学できない人には向いていません。
特に子育てや介護、療養中などで日中の時間を確保しづらい人は、通学型の訓練を続けるのが難しい場合もあるでしょう。
コロナ禍以降は、自宅で受講できるeラーニング型やオンライン形式のコースも増えており、生活スタイルに合わせて学びやすい選択肢もあります。

無理のない学び方を選べば、仕事や家庭と両立しながらスキルを身につけられるでしょう。
職業訓練とあわせて検討したい学びの方法
職業訓練は公的な支援として有効な選択肢ですが、学び方はそれだけではありません。
ここでは、職業訓練とあわせて検討したい主な学びの方法を紹介します。
ハローワークの職業相談を活用して方向性を整理する
職業訓練に申し込む前に、ハローワークで職業相談を活用して自分の方向性を整理するのがおすすめです。
ハローワークでは、職業訓練校や求人の情報、就職支援制度などを無料で相談できるうえ、求職活動実績としても認められます。
ハローワーク職業相談の主なポイント
- 無料でキャリア相談ができ、求職活動実績として認められる
- 自分に合った職業訓練・求人情報・支援制度を紹介してもらえる
- 訓練が難しい人にも、再就職に向けた現実的なアドバイスを受けられる

職業訓練を受けるか迷っている人も、現実的な転職・再就職の選択肢を整理する良いきっかけになります。
オンラインセミナーで就職準備を進める
職業訓練のほかにも、オンラインセミナーを活用して就職準備を進める方法があります。
自宅から無料で参加できるうえ、履歴書の書き方や面接対策など実践的な内容を短期間で学べるためです。
オンラインセミナー活用の主なポイント
- 自宅から参加でき、仕事や家事と両立しやすい
- 履歴書・面接・企業研究など就職に直結する内容を無料で学べる
- 職業訓練より短期間で就職準備を整えられる

「今すぐ動きたい」「短期間でスキルを身につけたい」人には、オンラインセミナーが効率的な選択肢といえるでしょう。
民間スクールや通信講座で短期間でスキルを身につける
職業訓練以外でも、民間スクールや通信講座を活用して短期間でスキルを身につける方法があります。
民間スクールや通信講座では、自由な時間割や短期集中コースが多く、仕事や家庭と両立しながら実践的なスキルを効率よく学べるためです。
民間スクール・通信講座の主なポイント
- 職業訓練よりも柔軟なスケジュールで学べる
- 転職や就職に直結する実務レベルのカリキュラムが充実
- 有料だがキャリアサポートや転職保証付きのスクールもある

職業訓練は合わないけれど、スキルは身につけたい人は、民間スクールや通信講座は現実的な選択肢でしょう。
転職エージェントの支援でキャリア相談を受ける
職業訓練に通わなくても、転職エージェントを活用すれば無料でキャリア相談や求人紹介を受けられます。
転職エージェントは企業と求職者をつなぐ専門サービスで、面接対策や応募書類の添削など就職まで一貫したサポートをおこなっているためです。
転職エージェント活用の主なポイント
- 登録・相談・求人紹介まですべて無料で利用できる
- 担当アドバイザーが希望職種や強みに合わせた求人を紹介してくれる
- 面接対策や書類添削など実践的な支援を受けられる

職業訓練に通わず学ぶならオンラインセミナーがおすすめ
職業訓練に通う時間がない人や、もっと手軽にスキルを学びたい人にはオンラインセミナーがおすすめです。
ここでは、オンラインセミナーがおすすめの理由を解説します。
オンラインセミナーがおすすめの理由
通学不要で手軽に始められる
オンラインセミナーは、職業訓練に通わずスキルアップや転職準備を進めたい人におすすめです。
自宅やカフェなど好きな場所で受講でき、育児・介護・在職中の人でも無理なく学べるためです。
オンラインセミナーのポイント
- 通学不要で、スマホ1台からすぐ受講できる
- 時間や場所を選ばず、生活スタイルに合わせて学べる
- リクルートエージェントやdodaなどの無料開催のセミナーが豊富

求職活動実績を作りながら自分のペースで学べます。
また、就職サポートを受けたい人はリクルートエージェントやdodaを利用すれば、求人紹介から面接対策まで一貫してサポートしてもらえますよ。
自分のペースで学べる実践的な方法
ハローワークや転職エージェントが実施するオンラインセミナーでは、就職活動に役立つ知識を短期間で学べます。
オンラインで学べる主なサービス
- 【公的支援】ハローワーク・マザーズハローワークなどが実施する就職支援セミナーやキャリア講習
- 【民間支援】リクルートエージェント・doda・マイナビなどのオンラインセミナー
- 応募書類の書き方、面接対策、求人の選び方など、すぐに実践できる内容が中心

リクルートエージェントやdoda・マイナビなどのオンラインセミナーでは、採用担当者の視点から転職成功のポイントを学べます。
短期間で必要な知識を吸収できる
職業訓練のように数ヶ月かけて通うのは難しいという人でも、オンラインセミナーなら短期間で必要な知識を身につけられます。
1時間〜半日ほどのセミナーが多く、履歴書の書き方や面接対策など、すぐに実践できるポイントを効率よく学べます。
短期間で学べるオンラインセミナーの特徴
- 1時間〜半日の短時間で、必要な情報だけを凝縮して学べる
- 職業訓練より時間の拘束が少なく、すぐに就職・転職活動に活かせる
- 目的を明確にして受ければ、スキルアップやキャリア形成にもつながる

職業訓練に関するよくある質問
職業訓練に関するよくある質問をまとめました。
職業訓練の学習難易度はどのくらいですか?
職業訓練の難易度は、初心者向けから専門職レベルまで幅広く設定されています。
コースによって求められる知識やスキルが異なり、基礎から専門分野まで段階的に学べる仕組みです。
職業訓練の主なレベルは、以下のとおりです。
- 【初級】パソコン操作・事務・介護など、未経験者でも始めやすい基礎内容
- 【中級】簿記・医療事務・Webデザインなど、一定の知識やスキルが必要
- 【上級】プログラミング・電気工事・CADなど、専門性が高く勉強量も多い
初めて学ぶ分野の場合は、まずは基礎系コースから始めてステップアップするのがおすすめです。
職業訓練に試験はありますか?
職業訓練では、面接試験と筆記試験のいずれか、または両方が実施されるケースが多いです。
面接では就職意欲や適性が重視され、志望動機や離職理由などが質問されます。
筆記は一般常識や基礎学力が中心で難易度は高くありません。
求職者支援訓練では面接のみのケースも多いため、事前に募集要項を確認しておきましょう。
職業訓練を途中でやめたらどうなりますか?
職業訓練を途中で辞めると、失業保険の延長や職業訓練受講給付金の支給が止まる場合があります。
給付金は修了が条件のため、退校時点で支給が終了します。
また、無断退校や自己判断での中断は、今後の訓練受講や支援にも影響する可能性があります。
辞める前に、必ず訓練校やハローワークへ相談し、手続きを確認してから判断しましょう。
職業訓練だけにこだわらず、自分に合う方法を見つけよう
職業訓練だけにこだわらず、自分に合った学び方を見つけることが大切です。
自宅から参加できるオンラインセミナーなら、生活リズムを崩さずにスキルアップが可能です。
ハローワークの講座に加えて、リクルートエージェントが実施する転職セミナーでは、実践的な面接対策や自己分析を無料で学べます。
自分に合った学び方を選び、今の一歩が未来のキャリアにつながるよう、できることから始めてみましょう。