失業保険の求職活動実績は職業相談のみで作れる？質問例から注意点まで徹底解説

ハローワーク・自治体の窓口・転職エージェントでおこなわれる職業相談は、厚生労働省が定める「求職活動実績」として正式に認められます。

この記事では、職業相談が、なぜ実績になるのか、仕組みや質問例、注意点をわかりやすく解説します。

実績を積むだけでなく、効率的に就職・転職活動を進めるためのコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

職業相談のみでも求職活動実績は作れる！3つの理由を解説

ハローワークや転職エージェント、自治体の窓口でおこなう職業相談は、失業保険の受給に必要な求職活動実績として正式に認められています。

ここでは、職業相談だけでも実績を作れる3つの理由を解説します。

オンラインでの実績づくりについて詳しく知りたい人は、以下の記事も参考になります。

職業相談は求職活動として認められている

ハローワークや自治体、厚生労働省の許可を受けた転職エージェントでの職業相談は、正式に求職活動実績として認められます。

厚生労働省の雇用保険の失業等給付受給資格者のしおりには、「職業相談は積極的な求職活動」として扱う　と明記されています。

求職活動実績にはどんなものがあるの？

② ハローワーク等、船員雇用促進センターが行う職業相談、職業紹介等

④ 許可・届け出のある民間機関(民間職業紹介事業所、労働者派遣事業所)が行う職業相談、職業紹介等

出典：厚生労働省 沖縄労働局｜雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり

職業相談以外でも求職活動実績は作れます。例えば、オンラインで受講が可能なセミナーがその代表です。とくにおすすめはリクルートエージェントです。

オンラインセミナーで求職活動実績を作る方法については下記で詳しく解説しています。

相談の記録が証拠として残る(ハンコやシステム記録)

職業相談を利用すると、相談内容が公式に記録として残るため、求職活動実績として確実に認められます。

ハローワークでは相談終了後に受給資格者証へ確認印が押され、自治体や転職エージェントではシステム上に相談履歴が保存されます。

就活に直結するサポートを受けられる

職業相談は、求職活動実績を積みながら就活そのものを前進させられる実践的な支援の場です。

単なる形式的な実績作りではなく「就職成功につながる活動」として認定されやすいためです。

職業相談はどこで受けられる？主な種類を解説

職業相談はハローワークだけでなく、自治体や転職エージェントでも利用できます。

それぞれの窓口には特徴があり、求人紹介や応募支援、生活支援制度の案内など受けられるサポートが異なります。

ここでは、それぞれの窓口の特徴を解説します。

ハローワークでの職業相談

ハローワークの職業相談は、公的機関が提供する無料サービスです。

相談の利用自体が求職活動の実績として認められ、失業保険の受給に必要な活動を全国どこでも積み上げられます。

自治体・公的機関での職業相談

自治体や公的機関の職業相談は、地域に即した支援を受けながら、ハローワークとは異なる角度で求職活動実績を積み上げられます。

就労支援窓口や若者・女性向けセンターでは、対象に合わせた相談や求人紹介に加え、生活支援制度の利用も可能です。

そのため、実績作りと就職活動の両立をしやすくなります。

転職エージェントでの職業相談

転職エージェントの職業相談は、非公開求人の紹介や応募対策まで一気通貫で支援が受けられます。

エージェントは厚生労働省の許可を得た職業紹介事業者であり、面談や相談は実績として認定されます。

そのため、失業保険の受給に必要な求職活動として安心してカウントできます。

職業相談の質問例【厳選30選】

就職活動の職業相談をより有意義にするためには、あらかじめ質問を準備しておくことが大切です。

ここでは、実際の相談で役立つ質問を6つのカテゴリに分けて30個厳選しました。

ぜひ職業相談の参考にしてください。

就職活動の基本に関する質問

職業相談では、就職活動の進め方や適職の見つけ方を相談員に確認できます。

ハローワークや自治体の窓口、転職エージェントでは、求職活動の流れを整理し、求人の探し方や応募方法、面接準備など基本を一から教えてもらえます。

応募・書類作成に関する質問

職業相談では、履歴書や職務経歴書の作成方法、応募時の注意点を相談員に確認できます。

書類は合否を大きく左右するため、専門の相談員に添削してもらえると安心です。

面接対策に関する質問

職業相談では、面接の受け答えや表現を客観的に指導してもらえるため、就職活動の成否に直結する準備が可能です。

よく聞かれる質問や回答のコツを相談員から学べるほか、志望動機や自己PRの添削を受けられます。

求人・企業に関する質問

職業相談では、地域や業界に即した求人や企業情報を得られるため、応募準備を効率的に進められます。

相談窓口で求人票や企業情報を直接確認できるほか、紹介状の発行や応募手続きのサポートも受けられるためです。

職業訓練や資格取得に関する質問

職業相談では、スキルアップのための職業訓練や資格取得に関する情報を得られるため、再就職の準備を計画的に進められます。

希望職種に合った訓練コースを紹介してもらえるだけでなく、受講の流れや必要書類について具体的な説明を受けられます。

自己分析・キャリア設計に関する質問

職業相談では、自己分析やキャリア設計に関するアドバイスを受けられるため、将来の方向性を整理しながら求職活動実績を積み上げられます。

これまでの経験やスキルを整理すると、強みを明確にでき、中長期的なキャリアプランを立てられます。

職業相談を受ける前に準備しておきたいこと

職業相談をスムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。

ここでは、相談前に確認しておきたいポイントを4つに分けてわかりやすく解説します。

相談内容をあらかじめ考えておく

職業相談の前に質問を整理しておくと、限られた時間を効率的に活用できます。

相談員に意図が伝わりやすく、必要な情報を漏れなく確認できるため、求職活動実績の申告にも安心です。

質問例の6カテゴリを参考に、自分の聞きたい内容をリスト化しておくと効果的です。

必要書類をそろえる

職業相談を受ける際には、必要書類をあらかじめ準備しておくと、受付や面談がスムーズに進みます。

必要な書類がそろっていれば、求人応募やキャリア相談が中断されずに進み、ハローワークでの認定や失業保険の受給にも支障が出ません。

持っていくと安心なもの

職業相談には必須書類に加え、応募や相談を深めるための資料を持参すると、相談効果が高まります。

履歴書や求人票などの補足資料があれば、相談員やキャリアアドバイザーが具体的なアドバイスをしやすくなり、求人応募や紹介の流れを効率よく進められるためです。

事前予約や混雑状況の確認をしておく

相談窓口は事前予約や混雑状況を確認してから訪問すると、効率的に職業相談を進められます。

ハローワークや自治体窓口、エージェントは混雑するため、事前に予約や状況を確認しておくと待ち時間を減らし、他の求職活動に時間を回せるためです。

職業相談の当日の流れ｜3ステップで紹介

職業相談を受ける際の当日の流れを3つのステップに分けて紹介します。

ハローワーク・自治体窓口・転職エージェントによって流れが多少異なるので、事前に確認しておくと安心です。

ステップ1：受付で相談希望を伝える

職業相談の当日は、まず受付で希望を伝えるところから始まります。

ハローワーク・自治体窓口・転職エージェントによって手続きや必要書類が異なるため、事前に確認しておくとスムーズです。

• ハローワークの場合

  受付で「職業相談を希望」と伝え、番号札を受け取る
  初回は求職者登録と雇用保険受給資格者証の提示が必要
  

• 自治体窓口の場合

  受付で相談希望を伝える
  自治体によっては予約や本人確認書類の提示が必要
  

• 転職エージェントの場合

  受付で予約時間と名前を伝える
  必要に応じて履歴書や職務経歴書を提出する
  

ステップ2：担当相談員と面談し、求人紹介やアドバイスを受ける

面談では、相談員に自分の希望や不安を伝えることで、求人紹介や応募書類の添削など、次の行動につながる具体的な支援を受けられます。

相談員との対話を通じて、求人票のチェックや条件のすり合わせ、履歴書・職務経歴書の添削までその場で対応してもらえるためです。

• ハローワークの場合

  希望条件に合う求人票を紹介してもらえ、応募に必要な紹介状も発行される
  履歴書や職務経歴書の添削にも対応してくれる
  

• 自治体窓口の場合

  地域の求人情報や生活支援制度を組み合わせて相談できる
  若者・女性向けなど対象に合わせた支援も受けられる
  

• 転職エージェントの場合

  非公開求人の紹介や企業別の選考対策を受けられる
  面接練習やキャリア全体を見据えたアドバイスも可能
  

ステップ3：相談終了後に記録を残してもらう

職業相談が終わったら、相談記録やハンコを必ず残してもらうのが重要です。

ハンコやシステム記録が残ることで、形式的な活動ではなく「公的に認められた求職活動」として安心して申告できます。

• ハローワークの場合

  雇用保険受給資格者証に確認印(ハンコ)が押され、実績としてカウントされる
  1日に複数回相談しても1回分のみなので、日を分けて積み上げる必要がある
  

• 自治体窓口の場合

  相談履歴が窓口のシステムに記録される
  必要に応じて証明資料として利用できるケースもある
  

• 転職エージェントの場合

  相談内容や求人紹介がシステムに保存され、公式に実績として認定される
  不安がある場合は「実績に含まれるか」をその場で確認する
  

職業相談のみで実績を作る際の注意点

職業相談だけで求職活動実績を積み上げることは可能ですが、注意すべきポイントもあります。

ここでは、安心して実績を作るために意識したい4つの注意点を解説します。

同じ質問を繰り返すのは避ける

職業相談では、毎回同じ質問をするのではなく、相談内容を変えていくのが大切です。

同じ内容を繰り返すと「形式的な実績作り」と判断され、求職活動実績として認められない可能性があるためです。

相談のテーマを変えることで、求人応募や面接準備など実際の就職活動にも直結しやすくなります。

職業相談の実績は1日1回までにする

ハローワークでの職業相談による求職活動実績は、同じ日に何度相談しても1回分としてしか認められません。

制度上、求職活動は「質より量ではなく、就職につながる活動かどうか」で判断されるためです。

1日に短時間で複数回相談しても、新しい活動として評価されにくく、実績が分割されない仕組みです。

認定日当日の相談は翌日以降の実績になる

ハローワークでの認定日におこなう職業相談は、その日の求職活動実績には含まれず、翌日以降の実績として扱われます。

認定日は「失業保険の受給資格を確認する日」として扱われるため、相談や求人応募の活動はその日分に加算できません。

実績目的と思われないよう相談内容に工夫する

職業相談では「実績作りだけ」と見なされないよう、窓口ごとの特性に合った具体的な相談をすることが大切です。

同じ質問を繰り返すと、実質的な活動として認められにくいためです。

職業相談に関するよくある質問

ここでは、職業相談に関して、抱きやすい疑問について回答します。

職業相談を上手に活用して求職活動実績を積み重ねよう

職業相談は、求職活動実績を積みながら就職や転職の準備を進められる大切な機会です。

ハローワーク・自治体・転職エージェントをうまく組み合わせれば、求人紹介や応募支援、面接対策まで幅広くサポートを受けられます。

特に実績づくりのためだけではなく「就職につながる具体的な相談」を意識すると、失業保険の受給条件を満たしながら、安心して次のキャリアに進む力となるでしょう。